Research

② 安全性向上:揮発性非水系電解液の熱安定性評価、革新型電池への展開

安全性のキーポイントは酸化物正極からの酸素脱離による電解液の発熱を如何に抑制するかに掛かっています。特に電池の発熱量は体積、電池の放熱量は表面積に比例するため、電池サイズが大きくなるにつれて、発熱量>放熱量の傾向が顕著になり、熱暴走に至るまでのマージンが確保しにくくなる宿命にあります。せっかく新規で安価な電極活物質を見つけても、大型蓄電池では現行材料より熱安定性が低下しては、大型蓄電池に使えませんので、その検証は不可欠です。 TG-DSCやTG-MSを使った高温時の発熱挙動や発生ガスの検出による熱暴走機構の解明を行っています。特に、電極表面にSEI不動態膜ができにくいと考えられるナトリウムイオン電池系での発熱挙動は、今後の検討課題です。


これらの熱的評価結果を踏まえ、非水系電解液から、不揮発性イオン液体や、水系電解液、固体電解質への展開を図りたいと考えています。現在、水系二次電池や全固体電池の研究も盛んに行なっています。